新型コロナの感染拡大が経済への影響を及ぼすなかで、コロナワクチンの動向は株式市場を左右すると考えられます。コロナワクチンにより感染拡大が鎮静化すれば、株式市場にとっては好材料のニュースとなるからです。
コロナワクチンに関する現状
まずは直近の新型コロナウィルスのワクチン接種に関するニュースをご紹介します。
- 1月10日アフリカのセーシェルで中国の製薬会社が開発した新型コロナウィルスのワクチン接種が始まる
- 1月9日英国エリザベス女王が新型コロナウィルスのワクチン接種を受ける
イギリスでは1月3日までに129万6432人が1回目の接種を受け、アメリカでは12月14日から23日までの間に189万3360人が1回目の接種を受けています。
- 1月上旬、大阪府で医療従事者向けワクチン接種が3月初旬に先行して開始されることを発表
日本ではまだワクチン接種は始まっていません。国内で唯一承認申請が行われているのはアメリカの製薬会社ファイザーですが、今年前半に6000万人分のワクチン供給を行うことが政府との間で合意されています。
コロナワクチン関連株の動向
続いてコロナワクチンの関連銘柄における株価の直近の動向をみてみましょう。それぞれ、2021年1月4日から1月8日までの株価になります。
アジェンス(4563:東証マザーズ)
始値 1,248円
高値 1,360円(1/8)
安値 1,216円(1/6)
終値 1,354円(1/8)
2020年安値 375円(2/18)
2020年高値 2,492円(6/26)
新日本科学(2395:東証1部)
始値 675円
高値 710円(1/8)
安値 660円(1/4)
終値 707円(1/8)
2020年安値 411円(3/13)
2020年高値 855円(9/16)
三菱ケミカルホールディングス(4188:東証1部)
始値 630円
高値 643円(1/7)
安値 613円(1/5)
終値 637円(1/8)
2020年安値 543円(11/5)
2020年高値 833円(1/21)
続いてコロナワクチンを開発している企業です。
シオノギ製薬(4507:東証1部)
始値 5,643円
高値 5,841円(1/8)
安値 5,508円(1/6)
終値 5,841円(1/8)
2020年安値 4,761円(10/30)
2020年高値 7,183円(6/22)
第一三共(4568:東証1部)
始値 3,566円
高値 3,655円(1/5)
安値 3,462円(1/6)
終値 3,645円(1/8)
2020年安値 2,622円(10/28)
2020年高値 10,084円(5/29)
コロナワクチン関連株はすでに高値をつけた?
コロナワクチンの関連株および開発企業の株価は、いずれも昨年につけた高値に及ばず推移しています。これは何を意味しているのでしょうか。
株価は期待感が先行して動きます。景気の動向や企業の業績は、すでに先行して動いている株価に織り込まれるということです。
コロナウィルスの関連株に関しても、実は昨年のうちに期待感が織り込まれているという見方もあります。つまり現状は利益確定の売りに押されての下落と、そこを拾う買いが交錯している状況と言えそうです。
世界で見てもまだコロナワクチンの接種は本格的には始まっていません。今後の動向により、株式市場がどのように動くのかはまだ未知のものであると考えられます。
コロナワクチン関連株は買いか?
昨年の高値に及ばないコロナワクチンの関連株は、はたして買いなのでしょうか。少なくとも2021年1月時点で、2回目の緊急事態宣言が発令されたように新型コロナウィルスの感染拡大は続いています。
今後この感染が収束に向かえば、それは株式市場にとっては好材料のニュースになることは間違いありません。
ただしコロナワクチン関連株においては、そう単純な話ではなさそうです。というのも、コロナワクチンの接種による効果と、その副作用に関するデータがまだ十分に出ていないからです。そのデータ次第では、株価下落のリスクを抱えていると考えてもよいでしょう。
まとめ
新型コロナワクチンの関連銘柄は、昨年のうちに大きく値を上げています。現在は調整段階にあると考えられますが、ここが売り時なのか買い時なのか判断が難しいところです。
短期的な投資は難しいかもしれませんが、長期的にみれば世界経済全体の動きからみて、現在は買い場であるとも考えられます。新型コロナウィルスの感染が収束に向かえば、世界経済も回復に向かうと考えられるからです。